喪主のおはなし。

2017年5月、初めて喪主を経験したお話です。

喪主、挨拶。

4. 様々場面での挨拶

 
一番の大役、それが「挨拶」でした。
 

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参列していただいた方へのお礼はもちろん、各方面への挨拶も重要です。
普段お仕事で人前で話される人でも、訃報からずっと忙しく動いてて挨拶でも滞りなく進むように思われますが、血の繋がった両親や、血縁関係のある身内ですだと身に詰まることもあります。
 
上手な挨拶を考えがちですが、気を張らずに、卒なく、皆様にとって故人にとって、気持ちが伝われば大丈夫。
 

葬儀社のスタッフから、最後の挨拶を促していただけます。

 
たった一言、
「本日はありがとうございました」
その一言で十分伝わろうと思います。
 
 
家族葬で慎ましやかに葬儀が進みました。
人前でお話することに抵抗はないのですが、 父親の想いが走馬灯のようによぎっていたので、言葉に詰まりながら挨拶させていたことを覚えています。
 
 
最後に・・・

 

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私の地域では、喪主には故人への最後の仕事があります。
それは、火葬場で火葬炉に入る棺桶を見届けるのは、喪主一人だけです。
スタッフに誘導され、目の前にある挿入口をにらみ、棺桶の上に手を添え、最後のお別れをしました。
静かに、そしてゆっくりと中に収まっていくのを見届けました。
 
 
「親父、ありがとう」
 
 
 
この経験は特別でした。
母親や兄弟と一味違う想いにふけ、亡き父を不思議と静かに送り届けることができました。
 
まだまだ、そのほかにもいっぱい「喪主」としての責任や仕事はありますが、葬儀に関して喪主としての仕事はここで一旦落ち着きます。
 

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今後、ご香典のお返しや四十九日または50日祭(天理教)の準備など、まだまだやらなければいけない事はございますが、故人を想い、最期を見届けてください。

 
 
 
 

お寺や僧侶様へのご連絡について

前回のおさらい

 
昨日は、喪主としてのしごと「葬儀社の手配」と、「葬儀全体の監督」のお話をさせていただきました。
 
さて、まだ2つの仕事があります。
今日は、3つめの仕事のお話を進めていきます。

 

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3. お寺・寺院への連絡

故人の宗教を基に、お寺または寺院に連絡します。

 

葬儀を執り行う際、故人が敬拝する宗教を知っておくことはとても重要です。

連絡後、僧侶の都合を確認出来れば、お通夜や葬式の段取りがしっかりと決まります。

 

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連絡が遅くなると、葬儀の日程に少し時間がかかるかもしれませんので、必ず早めに連絡は入れましょう。

 

期日がわかれば、お通夜や葬式の日取りも決定するため、それに合わせるように葬儀社の方も動いてくれるので、あとは葬儀社のスタッフにお任せできます。

 

ご遺体はその間、葬儀社のスタッフたちがドライアイスなどで腐敗を防いでくれますので、あまり心配されることはありません。


また、ご遺体は少しづつ変化していきますが、綺麗にお化粧をしてくれたり、見た目で隠れないところも綺麗にしてくれるので、安心して最期を見届けてあげましょう。


喪主、またはご家族には一つ大事な仕事があります。 

 

それは、生前の故人の写真です。

 

 

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過去の写真から探したり、データとして残っている写真であったり、またスマホで撮った写真、なんでも構いません。

どんな形態でも構いませんので、写真を探してください。葬儀社のスタッフが綺麗に加工し、背景に淡いブルーを入れた状態にしてくれます。

 

当時、私の父の遺影写真は、孫と一緒にディズニーランドで撮影した笑顔の綺麗な小さな写真から加工していただきました。

 

また、写真とともに、故人の好きだった食べ物や趣味、そのほか気になったものをどんどんピックアップしておきましょう。

 

それらは、祭壇にお供えしたり、一緒に天国に持っていける物を棺桶に入れて、最後を見届けるためのツールになります。

 

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斎場に到着後、スタッフとの打ち合わせ

2. 葬儀全体の監督

 
今回、葬儀にあたり監督をしたのはもちろん私(長男)ですが、葬儀社にお願いしたこともあり、葬儀に関する進行は、ほぼスタッフの方に全てお任せでした。
 
いくつかの決定事項といえば、葬儀の種類の選択です。家族の皆と相談の結果、最終の決定権は私にあります。
最後に葬儀社のスタッフが、私に確認の承諾をもらうのです。
 
 
 
葬儀の種類・・・
  1. 一般葬(葬儀式、告別式)・・・家族・親族・親しい知人を招き、宗教的な意味合いが濃く、読経をしたり魂を浄化させるために行う儀式(葬儀式)です告別式は、社会的に執り行うための、表向きな式典です。
    最近では、それぞれ別々に行うことはせず、両方とも一連の流れの中で進む傾向にあります。家族その他、様々な方が出席されますので、一言でいうと一般公開された葬儀(告別式)になります。


  2. 家族葬・密葬・・・・・・・・・一般葬と決定的に違うのは、葬式に来ていただく方は親族のみの場合が多く、故人や喪主、家族とも密接に関係している方達ばかりです。
    故人の会社関係やおつきあいがある方(喪主とは関係性がない方々)は来られないので、気を使うこともそれほど無く、最期の時間を家族や親戚らと大事に過ごせます。

    ※今回の葬儀は、生前、父親からはっきりとは聞いていませんでしたが、小さな葬儀でいいという旨を聞いていたこともあり厳かに家族葬で執り行いました。

    そこまでに至った経緯は、当日、葬儀社のスタッフ方達からこれからの段取りを相談している時に、どういった葬儀のパターンでするのか、規模はどのくらいでさせていただくのか、会社関係や近所の方達を呼ぶのかなど、そういった話を聞いているうちに父親から聞いたことを私が思い出しました。

    出席した親族からは、ご出席される皆様やご近所の方に対して、受付やその他仕事に従事することもないためバタバタすることもなく、ゆったりとしたお通夜や葬儀になったので家族葬も良いねとおっしゃっていただきました。

    また、お通夜では親族の皆様しかいませんので、式典が終わってから一気に出席者が減ることもなく、なかなか集まらない親戚一同が返し、会話も楽しくその夜はゆっくりと過ごすことができました。


  3. 一日葬・直葬・・・・・・・・・家族葬や密葬より、もっと小さな葬儀になります。通夜をなくしたスタイルになり、一日で済ませることによって、出席者にも負担が少なく時間も取られないため、都会を中心に多くなっています。


  4. その他・・・・・・・・・・・・最近、ニュースでも報道された「平尾昌晃さん」の音楽葬や、著名人や芸能人など故人を偲ぶ「お別れ会・偲ぶ会」など、故人にちなんだお別れをする葬儀があります。また信仰に基づいて執り行う「宗教葬」や、無宗教ではどの形態にも当てはまらない「葬儀」をされる方もいらっしゃいます。
 故人を想って

 

葬儀の形態にいろいろなパターンがあります。
 
故人の最期を見送る最後の事ですから、喪主様の考えや、周りの意見に耳を傾け、どのような葬儀形態にするのか、日頃から大まかでもいいので当人とお話しておくことをお考えるのもいいでしょう。
 
一つ困ったのは、父親の写真を探すのに苦労しました。
 
正面からの写真って、案外見つからないものです。
でも、正面からの写真を撮るのって恥ずかしいですよね?
 
私もカメラが苦手で写真を撮られることが恥ずかしいですが、もしものことに対応できるように、毎年とは言いませんから、たまには正面からの写真も撮っておくことをお勧めします。
 
 

父親を移送させるには

 病院からの移送

 
病院では、警察の方がお見えになり、検死が始まりました。
その間、私たちはいろんな事柄を決めていきます。
 

ではこれから実際に行った事柄をお伝えます。

 

1. 葬儀社の手配

病室でまず決めなければいけないことは、葬儀社をどこにするかでした。
 

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今回、父親が事故で入院し、最初に決めなければいけなかったのは、葬儀社の選定でした。
 
母親と私と妻、その3人で病院からもらった葬儀社一覧の紙を見ながら、どこにしたらいいのか悩んでいました。
 
まず先に喪主が決まったわけではなく、現状で最初に決めなければならない事項は「葬儀社」です。
 
 
なぜか?
 
父親の身元引き受け人ががすでに存在していますので、霊安室でこのまま安置させることができないからです。
 
そのため、自宅に一旦父を戻すのか、葬儀会館に直接運ぶのか、いずれにせよ病院からの移送が必要になってきます。
 
収容された病院から、各葬儀社の明記してある紙をもらいどこにするのか悩んでいる時に、母親の口から聞いたのは「株式会社 ベルコ」の会員券の話。
 
母親は将来のために、株式会社 ベルコに入会していたのです。
 
葬儀はもちろん、冠婚葬祭全てに網羅しており、それらに使える会員権です。
今回、父親が亡くなってしまったので、病院からもらった紙から、母親が株式会社ベルコを思い出してくれました。
 
母親がいなかったら、間違いなく他の葬儀社に決定していたことでしょうね!
 
 
その後、株式会社 ベルコに連絡しました。
 
 

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 警察の方の検死はかなり時間を要していました。昨夜から忙しく動いていましたので、母親や私、それに奥さんも疲れがピークになっていました。
 
そこで、一旦病院の休憩室などで食事を取り、東京から新幹線で来た姉を迎えにいったりと忙しく動いていました。
 
 
病室に戻ると、検死も終わったので、次は遺体の移動の準備が始まりました。病室を空けるため父親を移動させなければならないので、移動用の台車に乗せ、霊安室に移送します。
 
 
 しばらく待っていると、株式会社 ベルコのスタッフが霊安室の出口で待機していると連絡がありました。
 
病室から移動し霊安室に到着後、そのまま出口に移動です。
 
 
葬儀社のスタッフと私どもで遺体搬送車に乗せるためのカートに移し、遺体を乗せ、母親と姉がその車に乗り込み、私と妻はマイカーで後ろをついて行きました。
 
 
 
その後、斎場まで移動です。

 

 

 

人身事故の被害者家族になるということ

喪主の仕事・・・・

これから、喪主としての仕事を紹介します。
 

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喪主には大事な仕事が4つあります。
  1. 葬儀全体の監督
  2. 様々な場面での挨拶
  3. お寺や寺院、お坊さんへの連絡
  4. 葬儀社の手配
 
以上のように、大きく分けて4つの仕事があります。
 
 
 
 
では一つ一つ説明します。
 
順番が前後しますが、私が経験した時系列でお伝えします。
 
 
 
亡くなるということ
 
喪主のお話をする前に、時系列がわかっていただけるように、ここまでの過程を説明しますね。
 
 

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父親は、初夏に差し掛かる頃、夜空を楽しむように21時前の散歩をしていました。
 
信号が変わり、横断歩道を歩き出し、中央分離帯を超えたあたりで車に跳ねられ、頭部を強打し、翌日早朝5時過ぎにこの世を去りました。
 
 
事故直後、救急隊の判断で、私の携帯に父親の携帯を使って連絡が入りました。
 
救急隊の方は母親にも連絡したそうですが、勤め先の仕事の関係上、電話に出ることが困難な為、繋がらなかったのでしょう。私はマイカーに妻を乗せ、母親の勤務先に迎えに行き、病院に駆けつけ、警察の方々の事故内容の説明や、病院側からの病状説明を聞きました。
 

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右側通行している親父の左後部から、右折レーンから進んで来た車両と衝突し、足元をすくわれた状態になり、車のフロントガラスの窓枠の硬いところに頭部が当たったのでしょうか、かなりの衝撃だったと推測されます。
 
私が受けた救急隊からの電話と病院での検査の結果、頭部にかなりのダメージを負っており、瞳孔の反応もなく、先生の判断では、このまま開頭手術を施しても何の手立てもできないという結果でした。
 
 
そのあと、東京にいる姉弟に連絡し、姉は朝イチの新幹線でこちらに向かうと言ってくれ、弟は仕事の関係上、どうしても2日後にしか来れないといいます。
 
 
しばらく待っていると、父親と面会ができました。
 
 
処置室で見ましたが、挿管チューブが入っている状態の父親でした。
機械で空気を送られ、無理やり呼吸をやらされ、体のあちこちに傷もあり、言葉になりませんでした。
 
ぐ〜んと鳴り響く呼吸器の機械の音が、とても虚しかったです。
 
 
その夜はかなりの忙しさと共に、父親のこれからのことを先生のIC(インフォームドコンセント:治療方針など)を聞きました。 
 
それは、現在の状態を維持することだけを願い、喉元を切開した上で人工心肺装置を装着し少しでも長く生存させるのか、何もせず挿管チューブからの呼吸器だけで父親の生存力のみに掛けるのか、または肥大している脳を少しでも抑えるための投薬治療を施しながら挿管チューブで呼吸を促すのか、夜中の0時過ぎに決断を下さなければなりませんでした。
 
 
事故でかなりの衝撃を負っているのに、さらに切らないといけないことに抵抗を覚え、少しでも痛くないようにしてあげたいと考え、投薬治療を選択しました。
 
 
私の中では、姉と弟には父親の命あるうちに一眼見て欲しいと考えており、父親の様態や生命力にかけるしかないと模索していたのを覚えています。が、しかし、姉弟が間に合うことはなく、翌日の早朝5時すぎにこの世を後にしました。
 

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事故から9時間、親父はよく闘ったと思います。
 
早朝5時20分に他界しました。
 
享年75歳。
75年と8ヶ月少しの父親の人生でした。
 
 
 
 
 
ここから、私の喪主としての始まりです。
 
 

喪主、または施主とは・・・

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喪主とは・・・

先回もお話ししましたが、おさらいしましょう。
 
 
喪主とは、葬式を執り行う際の「当主」です。「当主」とはそのお家の現在の「主人」になります。
 
今回、本来ですと父親と一緒に暮らしていた母親が務めるべき仕事ではありますが、交通事故で他界した父親と母親が病院で再会した状況やショック、朝一番の新幹線で駆けつけた姉の状態を考えて、長男である私が努めさせていただきました。
 
私ら夫婦は、両親とは車で3〜4分と少し離れた場所で暮らしており、両親も僕ら夫婦も特に一つ屋根の下で暮らさなければいけないという「しがらみ」はありませんし、お互い気を使わない方が楽なので、それぞれ好き勝手に生活している状態であります。
 
 
基本的に、「喪主」を決める最大の選択肢は、亡くなった父親の「遺言」が優先されることが望ましいでしょう。
 
ただ、親父の「遺言」はなかったので、皆で話し合い私が努めることになりました。
 
 
喪主になる順番
喪主を務める順位には大きく下記のパターンになります。
  1. 配偶者
  2. 次男 または、それ以降の男子
  3. 長女
  4. 次女 または、それ以降の女子
  5. 故人の両親
  6. 故人の兄弟や姉妹
 
 
もし血縁関係の方がいらっしゃらない場合・・・
 
故人に家族がいない場合や、知人友人、または施設に入所していたらその施設の代表者が務める場合もあります。その場合、「喪主」とは言わずに、「友人代表」や「世話人代表」という呼び方になるのです。
 

 

 

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喪主は1人?・・・
 
喪主が1人でなければいけないことはございません。
市町村に提出する書類には代表者として誰か1人を明記しますが、複数でも構いません。
 
父親の葬式は私が喪主でしたが、遠くから来ていた姉が意見をしたりと皆で分割して仕事をしていたので、スムーズに進みました。その状況に応じて決めればいいことです。
 
 
 
 

はじめての喪主。

喪主とは・・・。

 

みなさん、喪主って経験がありますか?

 

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20代や30代の方々のほとんどの方は、両親が健在ならまだ一度も経験したことがない人が多いと思います。40代だと、一部の方の中には、ご両親の葬儀に関して喪主をされた経験もあるでしょう。
 

 

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 今回紹介するお話は、2017年5月に私が経験したことです。
 
親父が交通事故で他界し、突然の喪主がやってきたました。
 
母親はまだ健在ですが、夫が突然の出来事で他界し、愛する夫の最後を見届けさせてあげたいという気持ちもあるため、長男坊ということもあり当たり前のように喪主を務めました。
 
 

そもそも喪主とはなんだろう?

 

喪主=葬儀の時の当主。言い換えると、なくなった人に変わるお家の主(ぬし)です。

その当主が、お葬式の監督として責任を任されます。

 

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そういうふうに考えると、喪主を経験するって、人生で一度あるか無いかじゃないでしょうか。

 
中には、多い方ですとご両親とともに不幸にも我が子に先立たれ、その時に喪主をされた方もいらっしゃるでしょうね。ご両親が他界した感情とはまた違う、あなたのお子さんを先に見届けるという、とても辛い経験をした方もいるのではないかと思います。
 
一般的に喪主を務める時は、旦那さんが先立たれたとき、配偶者の奥様か、またはご子息である長男または長女が多いかと思われます。
 
世の中には兄弟が多い方もいらっしゃいますので、ご両親が他界した時、喪主は長男の仕事になってしまいます。
 
そうなると、経験しない方もいらっしゃるでしょうね。
 
 
経験者からの体験から、喪主の仕事ってけっこう大変なので、サポートしていただけたら嬉しいですね。 兄弟が多ければ、それぞれで仕事を分担していただいて、家族一丸となって故人を送っていただきたいと思います。そこでの総括マネージャを「喪主」が勤めれば良いのです。
 
 
では、これから私自身が経験したことを含めて「喪主」のお仕事を紹介していきます。